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Egg chair by Arne Jacobsen

  • motamobeltapetsering
  • 2017年1月30日
  • 読了時間: 4分

1月ももう終わりますね。高山はまだまだ雪景色ですが、少しずつ暖かくなっているようないないような、、。

雪道をチャリで進むのをなれてきた日々ですが、雪の中自転車を滑走しているとおじちゃんおばあちゃんに、

「まー大変!気をつけてー」と声をかけられます。

それもの其のはず。雪道を自転車で走るこつはただ1つ。躊躇しない事。スピードで少しの段差はなかった事にするのです。雪道を疾走する椅子張り屋です。今のところまだこけてはいません。

今回はスウェーデンでの記念すべき初仕事を紹介させて頂きたいと思います。

スウェーデンの張り替え学校Tibro hantvers centrumに通った後、より実務的な技術とデザイン家具の張り替えを学びたく工房を探していました。

そんな時インターネットでBengt Hermodoson巨匠を発見し、彼のホームページを拝見するとまさしく求めていた職人さん。お年73歳になり、デンマーク家具では第一線のFrits Hansenで働いていた経験を持つ職人さん。すぐさまメールを送り、合わせて学校の先生に彼を知っているか?と聞くと、スウェーデンでは一番といっていい程の張り替え師さんとの返答。

そして、なんと私の先生の先生であった方。なんという偶然でしょうか!

なんとか彼の元で働かせてくれないか?と先生の推薦付きで連絡してもらう事に。

残念ながら、応えはNO...先生も彼は頑固だから一度Noといったら、、、無理ねと。

合わせて、私のメールにも回答がきまして、年齢の事もありもう1年から2年で店をたたもうと思っているのでごめんねと。

いや、諦められる訳がない。

頑固なのはこちらも同じだ。

どうしても彼の仕事がみてみたい其の気持ちのみですぐさま熱いラブレターを返信し、かつそんな素晴らしい技術をやめる前に日本人に伝えて欲しいと懇願。

こういう時言語があまりできないのはいいと思う。

その言語に精通してると、言い回しとかきになるけれども、、、そんなのおかまいなしストレートに表現できるのだ。(出川哲郎のように、、)

その後もNOとのやりとりは続き、でもなぜか心が折れない自分がいる。

そして1ヶ月程した後、遂に彼からYES!の返事が!

彼もYESと心を決めたからには、全てを教えるよと熱い返答。

そうして、彼の元で一緒に働かせてもらう事になったのです。

彼が一番始めに私に用意をしていてくれたのが、そう!アルネヤコブセンのエッグチェアー。

いきなり私が目標としていた、この椅子に挑戦させてくれるとは、、アドレナリンが爆発。

では少しばかりこの素晴らしい椅子について。

Arne Jacobsen/Eggchair 1958

エッグチェア、1958年にコペンハーゲンのSASロイヤルホテルのロビーならびにラウンジ向けにデザインされた椅子。

エッグチェアは垂直水平により構成されたヤコブセンのトータルデザインの建物内において彫刻的な対比を生み出し、成功をおさめたデザイン。 彫刻家のように、自身のガレージで粘土を使用しシェルの完璧なフォルムを追求し、 シェルの張り地の下に硬い発泡材を使用するという新しい手法を先駆けて用い、このエッグチェア誕生。

この湾曲した立体構造に一枚の布を張り込むのは繊細な生地のカッティング技術がいるのです。

さけないぎりぎりを見極めて張る。行き過ぎてしまえば、、、そうもう取り返しは付かないのです。

そして、作業時間も限られている。

こんな緊張感あふれる張り替えって、、、。

EggchairはFritsHansensで製造されている椅子であり、そう!BengtはそのFrtis Hansenでエッグとスワンを担当していたまさに其の道のプロ。

彼が目を光らせる中での作業はとてつもなく緊張。というよりも、これは本当に経験が物をいう動作なのだと思う。Bengtも口では説明できない、、と。できる限り彼の手の動きを真似するも、まだまだ数をこなす必要が絶対的にあると感じた第一弾EGG chair.

back sideはトータル4mをすべて5mmタッチで手縫い。

それも難しく、始めは30cm進むのにどんだけかかってるのかと気の遠くなる作業。

このeggchairには機械ではできない、手作業の行程が沢山つまっているのです。

+クッションも一筋縄でいかないのがこのエッグチェアー。

湾曲したフレームにそったクッション。そこにはサイズの違う布を縫い合わせて形をキープする技術。

全行程を終え、初めてのエッグチェアー座り心地を試させてもらう。

ホワイトよりな生地なだけに、自分に汚れがないが入念にチェックしてから、座る。

こんな高級な椅子、、自分で持つ事はできないのだろう。何世代も次がれていきお家の宝物になるかな。

お客様も満足して頂き、勉強になった一脚でした。

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